医院でのインフルエンザ患者さんへのタミフル処方に関しての基本方針(2007年3月24日)

年代別にわけて対応の基本方針を示します。
1.20歳以上の成人;インフルエンザについて、タミフルについて説明した後に患者さん自身で内服するしないを決めて貰っています。

2.10歳代の未成年;タミフルの処方は行っておりません。(いまのところ例外なしです)
           リレンザの処方も行いません。
           どうしても処方が必要な症例にかんしてはその都度考えます。

3.〜9歳の小児;特に5歳以下ぐらいの幼児ではタミフルによる危険性よりもインフルエンザの悪化による脳症の危険性が高いと考え基本的にはタミフル内服をすすめています。いずれの場合でも現在医療機関としてわかっている情報を全て提示した上で最終的には御家族に判断をしていただいています。

タミフル内服後、及びインフルエンザに伴う症状などで何か気になる変化がありましたら、医院または緊急連絡先まで連絡をください。本日あらたに報道されている10歳未満での異常行動や異常言動などですが、タミフルを内服する前の受診時の問診で前の晩にそのようなことがあったとおっしゃる方が週に5人以上はいらっしゃいます。
インフルエンザとしては特に珍しい症状ではなくよくあることだと思って下さい。
タミフルを内服しない場合でも最初の2日間は保護者の監視が必要であることを覚えておいて下さい。

タミフルに関して2007年3月22日更新
10代の子供にはタミフルを原則として使用を差し控えるようにとの通達がでました。
本日以降は、10歳代のインフルエンザ患者さんは解熱剤などによる対症療法のみということになりそうです。
多くの場合に発熱が完全になくなるのに4−7日ぐらいかかると思われます。
タミフル内服を希望されない方はよいのですが、10歳代の患者さんで御家族が強く希望される場合には処方が許されるのかなどはっきりしない点が多々あります。リレンザという別のインフルエンザの治療薬もありますが同じ酵素の阻害薬であり危険性という意味ではかわらないと思いますので今のところタミフルが不可なら原則としてどちらも使用しないつもりです。
(いずれにしてもリレンザは現在入手困難ですし、医院にも5名分程度のストックしかありません)

タミフルを飲まない場合でも異常行動に対する注意は必要なことを忘れないで下さい。
異常行動の多くは薬のせいではなくインフルエンザそのものによる症状であるのは間違いないと考えられていますから。
報道はほとんどされていませんが、タミフルを内服していないインフルエンザ患者さんの飛び降り等の事故もおこっているようです。

2007年3月22日  林小児科内科  院長、林 伸樹

以下が販売元の中外製薬からの緊急安全情報の一部です。