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 気管支喘息(小児喘息)


 
小児喘息と成人喘息とではその定義や病気の傾向が少し異なり別々の治療ガイドラインが定められています。小児喘息は成人と比べアレルギーの関与が強く(約90%がアレルギー性)、成人と異なり成長とともに改善しその多くが思春期頃には治ってしまいます。しかしIgEの値(アレルギーの程度)と喘息の重症度は無関係です。ダニやホコリの多いところ動物を飼育しているところに環境を移動すると増悪することが多く環境による誘発が多くみられます。

 治療は個々の重症度を判定することから始まります。重症度と喘息の原因により気管支拡張剤、抗アレルギー剤、吸入ステロイド剤などを組み合わせて治療します。日本の小児喘息の治療は世界から大きく遅れていましたが、近年では世界の主流である吸入ステロイド療法を早期から積極的に導入することが推奨されるようになり治療成績がよくなっています。喘息という診断をいやがり治療を拒否する家庭がよくありますが怖がらずにきっちりとした治療をうけることが大切です。主治医と治療方針やそのメリット、デメリットをよく相談してください。成長期に適切な治療をしないと慢性的な酸欠状態がおこり体や知能の成長に影響がでることもあります。

 6歳以上になるとピークフローメーターという簡単な機械を使って自宅でも呼吸状態の程度を管理していくことが可能です。喘息は夜間や早朝など病院があいていない時間に増悪することが多いため、自宅での呼吸状態の掌握も大切です。気になる方は一度、ご相談ください。当院では喘息の専門医による管理と助言が可能です。(内科、小児科の場合、アレルギー専門医=喘息専門医です)